(令和6年6月17日)
子ども政策調査特別委員会会議録

中野渡しほ
では、私からは医療的ケア及び強度行動障がい支援の状況についてお伺いいたします。昨年新設されたこの委員会で最初の質問となったのが医療的ケア児についてであります。気を抜けないケアを必要とする子どもたちと育児を頑張っている親御さんを守りたいとの思いで、医療的ケア児が利用しているデイサービスを訪れ、施設長や看護師等の職員や親御さんから直接状況を伺い質問いたしました。それに対し、「医療的ケアが必要な子ども等への支援の調整を担うコーディネーターの養成などを進め、医療的ケアが必要な子どもとその御家族を支える体制の充実を図る」旨の御答弁をいただきました。それから1年が経過したところでございます。本道における医療的ケア児の状況やコーディネーターの配置がどのようになったのか、直近の人数などについて伺います。

和田 子ども家庭支援課長
医療的ケア児等の状況についてでございますが、道が毎年実施しております札幌市を除く医療的ケア児に関する調査では、4月1日現在の在宅の医療的ケアを必要とする20歳未満の方は、令和3年度は378名、令和4年度は408名、令和5年度は412名となっております。また、道内で登録されている医療的ケア児等コーディネーターは、令和3年度は103名、令和4年度は158名、令和5年度は226名であり、医療的ケア児が居住する市町村のうち未配置となっているのは、令和4年度の26市町村から令和5年度は8市町村となっております。
 道といたしましては、医療的ケアが必要なお子さんや御家族が、お住まいの地域で必要なサービスを受けながら生活していけるよう、引き続き、市町村などに支援体制の充実を働きかけてまいります。

中野渡しほ
ありがとうございます。昨年も申し上げましたが、医療的ケアを必要としている子どもたちが過ごしている放課後等デイサービスに伺った際に、親御さんが一番要望しているのは入浴支援でありました。その他、家族が救急時などに預け先がない、出かける際も医療的ケアが必要なのでなかなか出かけられない、また、移行期を迎える子どもの継続的な支援などが寄せられていたところでございます。また、放課後等デイサービスの職員からは、医療的ケアが必要なお子さんが、例えば、急に体調を崩し、事業所をお休みしなければならないことがあるとサービスの提供に係る報酬を得ることができない。経営に影響が出るという問題もお聞きしました。この件についても、この委員会で何度も取り上げております。このような御家族や職員からの困り事や放課後等デイサービスの実情について、どのように対応してきたのか伺います。

和田 子ども家庭支援課長
医療的ケア児等への支援についてでございますが、道では、医療的ケアを必要とする子どもの御家族や関係団体と密に意見交換を行うなど、困り事の把握に努め、国に対し報酬改定などの要望を行ってきており、令和6年度の障害福祉サービス等報酬改定において、お子さんの成長に伴い保護者負担が大きいとされます入浴支援に係る加算が新設されたところです。
 また、急な発熱などで欠席や早退した場合に、事業者の報酬が算定されないといった課題につきましても、基本報酬等の見直しにより、個別支援計画で定めた提供時間より、実際に支援に要した時間が利用者の都合によって短くなった場合には、個別支援計画に定めた提供時間で算定が可能となるなど一定の改善が図られたところでございます。
 道といたしましては、引き続き、課題の把握に努めるとともに、北海道医療的ケア児等支援センターにおいて移行期を迎える子どもへの相談支援の充実を図るほか、国に対し、医療的ケアを要する方々への支援の充実を要望してまいります。

中野渡しほ
一定の前進があったこと、感謝申し上げたいと思います。今後は、急ではなく事前に体調が悪くお休みというような場合にも加算をしていただけるよう進めていただけるとありがたいと思います。
 次に、この委員会としては初めて取り上げます強度行動障害のある子どもへの支援について伺います。強度行動障害とは、自分の体をたたいたり、食べられないものを口に入れてしまう、危険につながる飛び出しなど本人の健康を損ねる行動や他人をたたいたり物を壊したり、大泣きが何時間も続くなど周囲の人の暮らしに影響を及ぼす行動、この二つの行動が著しく高い頻度で起こるため、継続的に特別に配慮された支援が必要になっている状態とされております。今回の質問に当たり、道内4市5施設の障害者施設の家族会や福祉会、施設長や職員の方々と直接お会いし、懇談をさせていただき、施設内も視察をさせていただきました。強度行動障害の人数は、札幌市内のある施設では145名のうち130名、伊達市内のある施設では60名のうち55名が強度行動障害と判定されておりました。全国では2022年10月時点で、強度行動障害の関連支援を受けている方々はお子さんを含め、延べ7万8000人以上とされておりますが、地域の受入れ体制には課題が多いようで、保護者の方からは、子どもの居場所として受け入れてくれるところが見つからないとの声もあります。そこでまず、北海道における状況について伺います。

和田 子ども家庭支援課長
本道における状況についてでございますが、強度行動障害は自分の体や他人をたたく、物を壊したり、食べられないものを口に入れる、危険につながる飛び出しなど、本人や周囲の人の暮らしに影響を及ぼす行動が著しく高い頻度で起こるため、特別に配慮された支援が必要となっている状態であるとされております。
全国での強度行動障害の方の人数は、行動障がい関連の障害福祉サービス、障がい児支援の利用者として延べ約7万9000人とされておりますが、本道での数については公表されておりません。
 なお、令和6年5月時点で、道内の障害児通所支援事業所のうち強度行動障害を有する者の受入れ体制を有している事業所は、放課後等デイサービスで79施設、児童発達支援では160施設となっているところでございます。

中野渡しほ
このことについては本道だけの課題というだけではなく、全国的な問題であると考えますが、国の動きはどのようになっているのか伺います。

和田 子ども家庭支援課長
国の動向についてでございますが、国では、強度行動障害を有する方やその家族が安心して暮らしていけるための支援体制を検討するため、有識者による検討会を実施し、令和5年3月に報告書がまとめられたと承知しております。
 また、令和6年度障害福祉サービス等報酬改定におきましては、強度行動障害を有するお子さんへの支援を充実させる観点から児童発達支援や放課後等デイサービスにおいて、支援スキルのある職員を配置し、支援計画を策定の上、その支援計画に基づいた支援を行った場合の加算について見直しが行われたところでございます。

中野渡しほ

では、研修について伺います。施設職員から研修についての要望が多くございました。今の答弁では、支援スキルのある職員を配置し、支援計画に基づいた支援をすることで加算を算定できるとのことでありましたが、その知識や技術を身につけるための研修について、道での養成状況と今後の取組について伺います。

 

和田 子ども家庭支援課長
職員の研修についてでございますが、道では、強度行動障害のある方に対する支援職員の養成を図るため、北海道強度行動障がい支援者養成研修実施要綱で定める要件を満たす事業者を指定研修事業者として指定し研修を実施しており、令和5年度は基礎研修が535名、実践研修が151名受講し、今年度は基礎研修1350名、実践研修350名の養成を予定しております。障がい児支援事業所の職員が専門的な知識や技術を身につけ、強度行動障害のあるお子さんへの適切な支援を行うことができるよう、今後、障がい児支援事業所に対し、研修の受講を働きかけてまいります。

中野渡しほ

職員の方からは、別の施設の専門性の高い職員が園を巡回し、目の前の子どもに一緒に関わりながら助言をしてくれており、それが大変有効だとのお話も伺いました。こういった巡回指導の一層の拡充もお願いしたいと思います。
 次に、施設の整備及び運営に係る支援について伺います。強度行動障害のあるお子さんを受け入れるための施設においては、特殊浴槽やスヌーズレン室と呼ばれているリラックスができるお部屋を整備したりする必要があります。また、札幌市のある施設では、毎年2部屋程度の壁紙が剥がされたり、また、たたくなどしてへこませたり、その修理に年間187万円を要しているという状況もお伺いしております。障がいの特性に応じた整備が必要であります。また、光熱費などの物価の高騰が、施設運営に影響を与え続けているところでもあります。
 道として施設の整備や運営について、どのように支援していくのか伺います。

和田 子ども家庭支援課長
施設整備などへの支援についてでございますが、障がい児支援を行う事業所では、障がい特性に応じた療育のための施設整備や安定した施設運営が大変重要であると考えております。
 道といたしましては、強度行動障害のあるお子さんの受入れを行う障がい児支援施設を含め、その新設、修理、改造等に当たりましては国の交付金を活用しており、国に対し、必要な予算の確保や交付対象の拡充等について引き続き要望してまいります。
 また、物価高騰に伴う経費の増大は、障がい児支援施設においては、経費の増大分をサービス価格に転嫁できないことから経営に大きな影響が生じるものと認識しております。
 令和6年度報酬改定で、物価高騰を踏まえた食費、光熱水費の見直しがなされたところですが、今後とも、必要な財政措置を講じるよう国に対し要望してまいります。

中野渡しほ

強度行動障害のあるお子さんや御家族が地域で生活するためには、支援を行う事業所が必要であります。事業所では、専門的な支援を行うための人材確保など対応の難しさもあるようです。道として、今後どのように取り組んでいくのか伺います。

野澤 保健福祉部子ども応援社会推進監
道の今後の対応についてでございますが、強度行動障害につきましては、幼児期からのそれぞれのお子さんの特性と御家族の状況に応じた適切な関わりが、予防につながるとされております。したがいまして、幼児期からお子さんの強度行動障害のリスクを把握し、御家族を含め、ライフステージを通して地域生活を支えていく体制が重要であると考えております。 道といたしましては、今回の報酬改定の内容を関係機関へ周知するとともに、障がい児支援事業所の職員が専門的な知識や技術を身につけることができるよう、強度行動障がい支援者養成研修への受講を働きかけ、支援スキルを持つ人材の育成を図るなど強度行動障害を含め、障がいのあるお子さんやその御家族が障がいの程度や種別などにかかわらず、住み慣れた地域で安心して生活できるよう支援の充実を一層図ってまいります。
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