中野渡しほ
私からは、児童虐待防止及びこども家庭センターについてお伺いします。
昨年10月、この委員会におきまして、令和4年度の児童虐待の相談対応状況について質問しました。子育てに困難を抱える世帯がこれまで以上に顕在化してきている中、この1年間、児童虐待未然防止のために、どのような対策を講じられてきたのか伺いたいと思います。
まず、児童虐待の状況と傾向、見解、課題について伺います。
児童虐待の状況等についてでありますが、道の児童虐待相談対応件数は、令和3年度がこれまでで最も多く4020件、令和4年度が3626件、令和5年度は、現在精査中でありますが、令和4年度を上回る件数が見込まれており、依然として高い水準にあるものと認識しております。 虐待相談の経路別及び内容別では、近年の傾向として、警察からの通告による心理的虐待の割合が多いところです。心理的虐待として、子どもの前での夫婦げんかが多く認定されていることから、日頃から市町村をはじめ、関係機関が連携し、子育て家庭の養育状況を把握するための見守り活動など、未然防止に向けた取組が重要であると考えております。
中野渡しほ
令和5年は精査中とのことですが、前年度を上回るという状況にあるということであります。昨年の質問におきましては、児童相談所の援助方針会議で、子どもが在宅のまま保護者指導を行う助言指導を行った後、75件の再発が確認されたとの答弁や再発防止に向けた取組を強化する必要があるとの答弁がございました。私からは、再発の件数も注視するよう指摘をしていたところであり、再発というのは、継続的、断続的に子どもが虐待され苦しんでいる状況にあるわけですが、どのような再発防止強化を行ったのか伺います。
野邊 子ども家庭支援課虐待防止対策担当課長
児童虐待の再発防止に向けた取組についてでありますが、子どもの前での夫婦げんかや、しつけを理由とした体罰などが繰り返されてしまうケースは一定数存在しているものと考えており、児童相談所では、そういった行為が児童の成長や発達に及ぼす影響について、保護者への地道な指導や住民に対する啓発を行うとともに、保護者に改善が見られず児童への影響が大きいと判断される場合には、児童の一時保護や、施設入所等の措置を検討することとしております。
また、再発防止に向けた取組として、児童相談所では、助言指導の際においても、虐待に至った背景や保護者の性格特性、育児能力、親子関係などの把握に努め、市町村の相談窓口や支援制度につなぐなどしているほか、道では、SNSを活用した親子のための相談LINEを気軽に利用してもらえるよう周知するなど、対策を強化しております。
引き続き、住民に身近な市町村をはじめ、関係機関との連携の下、再発防止対策に取り組んでまいります。
中野渡しほ
75件、ここにはどのような状況が今あるのかということをつぶさにお伺いをさせていただきました。大変丁寧な対応で、一人一人に向き合っているという状況を意見交換の間では確認をさせていただいておりますけれども、そういう個々の対応や対策というのが大事になってくると思っておりますので、ぜひ継続をしていただきたいと思います。
続いて、中高生の虐待についてお伺いします。令和4年度に虐待を受けたと認定された中高生822人のうち、約3割が1年以上前から虐待を受けていた可能性があるという御答弁でありました。そして、早期発見に向けた相談体制の強化の重要性について言及されていたわけですが、この1年間、どのように相談体制を強化するなどの取組を行ってきたのか伺います。
野邊 子ども家庭支援課虐待防止対策担当課長
早期発見に向けた相談体制の強化についてでございますが、道では、児童虐待の早期発見に向けて、児童相談所や市町村の職員研修を実施し、子どもが示す人に対する極端な甘えや警戒がある、不適応行動が多いなどの虐待につながる兆候を見逃さない視点を身につけるなど、児童福祉分野における専門性の高い職員を養成しております。
また、市町村においては、乳幼児健診等の際に育児困難な状況など、支援が必要な家庭を早期に把握するほか、地域の産科小児科の医療機関と保健所が連携して、支援を必要とする家庭を積極的に把握する体制を整えているところです。
道では、子どもたちにも分かりやすいポスターやチラシを活用して、虐待対応ダイヤル189や相談専用ダイヤル、親子のための相談LINEなどの相談窓口の周知を図るとともに、児童相談所や保健所、市町村などの地域の関係機関による包括的なネットワークづくりを推進し、養育に困難を抱える家庭の早期把握と支援体制の整備に取り組んでおります。
中野渡しほ
安否確認後の保護者の様子と対応についてお伺いしたいと思います。再発防止のためには、安否確認直後の対応に特に気をつけなければなりません。児童虐待の重大事件では、安否確認後、子どもへの口止めのように虐待のエスカレートの状況が実際に確認をされております。安否確認後に動揺した保護者側の声を改めてよく聞いて、怒りなどが子どもに向かないようにしていくことが重要と考えますが、具体的にどのような対応を行い、その対応の妥当性をどのように検証しているのか伺います。
野邊 子ども家庭支援課虐待防止対策担当課長
安否確認後の対応についてでありますが、児童相談所では、国の児童相談所運営指針等に基づき、支援が必要な家庭への援助や虐待事案への対応等を行っており、安否確認後、まずは保護者や同居人、子どもたちによく話を聞き、生活環境や養育状況などを把握した上で、保護者等の子どもへの関わりに不適切な点がある場合、当該行為が子どもに与える影響を説明し、注意や指導を行うとともに、子どもたち自身にも相談相手やSOSの出し方を伝えております。
さらに、保護者に対しては、改めての相談が可能であることや、身近な相談先を説明するほか、児童相談所による継続的な在宅での指導、市町村や学校、保育所等と情報共有を図り、地域の関係者による見守りを行うことで、虐待がエスカレートすることがないよう、取り組んでおります。
一方、安否確認の結果、在宅では子どもの安全が確保できないと判断し得る場合は、一時保護等の措置により、子どもの速やかな安全確保を図っております。
中野渡しほ
札幌市の取組にも目を向けたいと思いますけれども、札幌市の虐待リスクの点数化についてです。札幌市では、児童虐待のリスクを点数化して児童虐待対応に当たっていると承知しておりますが、道では、児童虐待をどのように判断し、対応しているのか伺います。
また、札幌市のシステムの道での活用についても伺います。
野邊 子ども家庭支援課虐待防止対策担当課長
札幌市の対応等についてでありますが、札幌市では、母子保健と児童相談に関する情報システムを統合した子育てデータ管理プラットフォームを構築し、関係部署が情報共有の下、乳幼児健診の受診状況や各種支援の受給の有無などにより虐待危険度を点数化し、虐待のリスクの高いケースはアラートを表示させるなど、見落としを防止しているほか、虐待通告があった場合は、システム上で確認した情報を踏まえ、虐待対応を行っているものと承知しております。
道においては、虐待通告があった場合、アセスメントシートを用いてリスクを評価し、支援内容などの対応方針を検討しますが、アセスメントシートのみによる機械的な判断とならないよう、市町村、学校等の関係機関からの各種情報も踏まえた上で、リスクが高いと判断した場合に、一時保護等の実施や警察との連携などを行っております。
なお、道においては、ケース記録や里親の情報等の管理を行う児童相談情報管理システムを運用しているところであり、市のシステムのメリットやデメリット等について札幌市と情報交換を行うなど、道児相の虐待対応に有用なシステムであるか等の確認を行い、その活用の可否などについて検討してまいります。
中野渡しほ
札幌市と情報交換を行い、そしてシステムが有用かどうか活用についても検討していくということですが、そこをぜひお願いしたいと思っております。
次に、こども家庭センターについてお伺いしたいと思います。令和6年度から、全ての妊産婦と子育て世帯を対象に児童福祉と母子保健の一体的支援を行う機能を有する機関として、こども家庭センターを設置できることとなっております。現時点では179市町村中、北海道はどのような設置状況になっているのか伺います。そして、全国47都道府県の中でどのような状況なのか、また、現在の設置に向けた取組についても伺います。
野邊 子ども家庭支援課虐待防止対策担当課長
こども家庭センターの設置状況等についてでありますが、こども家庭庁が令和6年5月1日時点で実施した調査によると、道内では、179自治体のうち、設置済みが28自治体で、設置率は全国で最も低い水準となっており、道として危機感を持って設置促進に取り組む必要があると考えております。
道が未設置自治体に対して行った調査によると、設置できていない理由として、組織体制の整備及び調整等が困難が50%、人員人材不足が37%となっております。
令和4年度に改正された児童福祉法において、市町村はセンターの設置に努めることとされており、国は令和8年度までに全市町村で整備する目標を掲げていることから、道では、未設置市町村に対して、センター設置の意義を伝え、個別課題のヒアリングを行うとともに、国や先進自治体の職員を招いて説明会や研修会を行うなど、センターの設置促進に向け、積極的に働きかけを行っているところです。
中野渡しほ
全国の中で最下位であるということが分かったわけでございますけれども、昨年、今後どうするのかという答弁に対しましては、こども家庭センターの早期設置を促し、地域一丸となって、児童虐待未然防止と早期対応に万全を期すとともに、子どもや家庭が健やかに生活できる社会づくりに取り組んでまいるとの御答弁でございました。
この一つを取りましても、しっかり各機関とも連携を取りながら、道として、真剣になって取り組んでいかなければならないと感じるところですが、今後、どのように取り組むのか伺います。
野邊 子ども家庭支援課虐待防止対策担当課長
今後の取組についてでございますが、児童虐待相談対応件数が高い水準で推移する中、道では、児童虐待への対応のため、児童福祉司など専門職員の確保や、研修の充実による職員の資質向上など、児童相談所の体制強化を進めてきたほか、支援ニーズの高い児童の状況把握や地域の関係機関との連携強化などにも取り組んできたところです。
また、子どもとその家族にとって最も身近な市町村が、学校、保育所などの関係機関と連携し、虐待の未然防止や支援が必要な家庭の効果的な見守り等を行えますよう、道では、市町村との合同での家庭訪問、要保護児童対策地域協議会の運営や児童虐待対応に係る市町村への技術的助言を行いますとともに、全ての妊産婦や子育て世帯を対象に、切れ目のない支援を行うこども家庭センターについて、設置が十分に進んでおりませんことから、未設置市町村に対する課題のヒアリングの場などを通じまして、人員配置について自治体の規模や実情に応じた柔軟な対応が認められていることを丁寧に説明しますほか、組織の見直し方法を助言するなど、早期の設置に向けた支援に取り組み、児童虐待の防止と早期対応に万全を期してまいります。