中野渡しほ
今、御報告ございましたように、延べ377件という大変多くの御意見が寄せられ、子どもたちも含めた形で御意見をくださった方々は、職員の皆様が推敲を重ねてこられた条例文を何度も読んで、ここはどうしても伝えたいという点を自ら文章を考えに考えて、御意見をお寄せくださったことと思います。内容が反映されなかった御意見もあるわけですが、今日まで職員の方も全てこの条例文に関わってくださった皆様にまずは感謝を申し上げたいと思います。私からはパブリックコメントをお寄せくださった方々の思いをくんで、改めて伺いたいと思います。寄せられた御意見の中で、子どもの権利を示した上で条例を述べるべきという意見など、子どもの権利に関する記載が多く見受けられました。道民からの多数意見を謙虚に受け止めることは、パブリックコメントを募った意義でもあると考えます。権利に関する御意見についてどのように反映するのか伺います。
工藤 子ども政策企画課長
子どもの権利についてでございますが、昨年11月から12月にかけて実施したパブリックコメントでは、子どもの権利の視点を前面に出すべきなど、子どもの権利に関する意見を多数いただきました。
道といたしましては、新たな条例の素案において、子どもの権利条約の4原則である生命、生存及び発達に対する権利や、児童の意見の尊重等を基本理念として規定したところであり、条例制定後、これらの基本理念を分かりやすく周知するなどして、全ての子どもが個人として尊重され、ひとしく権利が保障されていることを認識できるよう取り組んでまいります。
中野渡しほ
道の独自色という点についてもお伺いしたいと思います。これまで道としてつくり上げてきた子ども関連の方針等がございます。そこには、現在の「北海道こども施策審議会」と同じように有識者から御意見をいただいて、保護者や現場の声も大切にしながら作成が進められてきたわけであります。例えば、北海道幼児教育振興基本方針がつくられておりますけれども、当初、これは園の先生方が対象となっておりました。また、子どももそれに準じて園に通う子どもたちが対象となっていたわけです。その点を私からは園の先生ばかりではなく、関係機関の方々、また親も地域も社会も学校もみんなオール北海道で進むべきではないか。そして、子どもたちも、全ての就学前の子どもたちを対象とすべきであり、特別支援を必要としている、ケアを必要としている子どもたちも含めるべきと申し上げ、その点も盛り込まれて、この幼児教育振興基本方針がつくられてきたわけです。この道として努力を重ね、積み上げてきたものと、今回、国が示されています法律とは相違がないという点が多くあります。そういう意味では、この道の努力も反映すべき点であると思いますが、どのように反映されているのか伺います。
子どもに関する計画等との連携についてでございますが、条例素案は、本道の子どもたちが将来にわたって、幸せな生活を送ることができる社会の実現を目指すという、道の基本的な方向性を分かりやすい形で発信するため、こども基本法を基に、子ども施策に関する道の基本理念や基本となる事項等を定めるものであり、こうした観点から、パブリックコメントの回答でも、必要に応じ、こども基本法との整合性に言及しているところでございます。一方、条例の規定に基づき策定する(仮称)北海道こども計画は、これまで道が推進してきた少子化対策や青少年健全育成、子どもの貧困対策などの計画を一体的に盛り込むほか、北海道総合教育大綱をはじめとした道の関連する方針、計画との整合性を確保し、連携して、各般の施策を展開していくこととしております。
中野渡しほ
実効性についての御意見もございます。行動につなげていくための指針として、道では北海道SDGs推進ビジョンが策定され、知事が本部長として先頭に立って、2030年の達成を目指しているわけであります。今、その真っただ中にありますSDGsについてどのように取り組むのか伺います。
SDGsとの関係についてでございますが、道では、企業、団体、行政など多様な主体がSDGsを推進するための基本的な指針として、また、道民の皆様が具体的に行動するためのガイドラインとして北海道SDGs推進ビジョンを策定しており、道政を進めるに当たっても、総合計画や各種計画に、SDGsの要素を反映させてまいりました。今般取りまとめた条例素案を具体化する(仮称)北海道こども計画においても、本ビジョンに基づき、SDGsの要素を盛り込んだところであり、こどもまんなか社会の実現とともにSDGsの全てのゴールの達成に向け、子ども施策を総合的かつ計画的に推進してまいります。
中野渡しほ
子どもの権利について、伺います。この定義が分かりにくい、もっと分かりやすくという声が重なっております。道の答えは、「こども基本法と同じく、心身の発達の過程にある者」という定義でありますけれども、御意見をくださった方はこの言葉が分かりにくいという声があります。子育て中の親は「おとな」で、その子は「こども」と、万人が認識するわけでありますが、「親がこどもの定義に含まれることもある」というのが道の提案しようとしている条例であり、分かりにくさを残したまま条例案を提出してよいものなのか。「こども」の定義に「若者」という言葉も含めるべきではないかという声や、子どもたちでも分かるようにしてほしいという声もございます。貴重な声に耳を傾けて、もう少し具体的で分かりやすくしていただきたいと思いますが、見解を伺います。
新たな条例における「こども」の定義についてでございますが、こども基本法では、「こども」について、18歳や20歳といった年齢で必要なサポートが途切れないよう、心と身体の発達の過程にある者と定義しており、道の条例におきましても、「こども」を定義するに当たっては、法と同じ考え方に立つことといたしました。法施行後に、子どもの権利等に関する条例を制定した他県も道と同じ考えで「こども」を定義しているところであり、道といたしましては、条例制定後、パブリックコメントでいただいた御意見なども参考としながら、子どもたちを含む、道民の皆様に対し、分かりやすい周知に努めてまいります。
中野渡しほ
「こども」の定義の中に入っている、新生児を加えたことへの御意見もございますけれども、この条例文の中には、結婚、妊娠、出産の支援について明記されておりますが、その一方で、定義の中に胎児が含まれておりません。こども基本法骨子素案の総則の定義にもともとは書かれていた文面があります。「こどもの出生に始まり」という言葉が本当はあったわけですが、それが国としても削除いたしました。今回の条例は、子どもの幸福を目指すわけですが、この幸福は生命が守られることが第一歩であるわけです。胎児を定義に含めるべきと考えます。所見を伺います。
子ども施策の対象についてでございますが、条例では、「こども施策」の定義として、こども基本法と同様に、「新生児期から思春期の各段階を経て、おとなになるまでの発達の過程を通じて切れ目なく行われるこどもの健やかな成長に対する支援」や、「就労、結婚、妊娠、出産、育児等の各段階に応じて行われる支援」などを規定しており、妊娠、出産に対する支援を定めることにより、胎児についても、健やかな成長に必要な支援を行っていく考えであります。
中野渡しほ
この新生児について、コメントをくださった方は、新生児を加えていただいてうれしいという、そういう喜びの声でありました。胎児が入ることで同じようにそれを希望を持って喜ばれる、そういう方も出てくるものと思います。これは、時代として段々この胎児というところにも視点が向けられているわけで、今後、道としても子どもというところの定義に加えるかということについては議論していくべきだということを指摘しておきます。自立についての御意見もございましたけれども、様々な状況の子ども、様々な発達段階の子どもたちがいるわけです。自立とはどのような姿を表しているのか伺います。
工藤 子ども政策企画課長
障がいのある子どもたちにおける自立の考え方についてでございますが、厚生労働省では、自立について、一般的には「他の援助を受けずに自分の力で身を立てること」であるとする一方、障がいのある方の自立につきましては、自己決定に基づいて主体的な生活を営むこと、障がいを持っていてもその能力を活用して社会活動に参加することの意味としても用いられているとしており、道におきましても、国と同様の考え方に基づき、使用しているところでございます。
中野渡しほ
文言として指摘を受けているものですけれども、環境についての御意見であります。家庭内の養育環境の整備という言葉がございますけれども、道が家庭内を整備するのかと誤解を招きかねないわけでありまして、道がここで示している養育環境とはどういうものなのか伺います。
工藤 子ども政策企画課長
子どもや子育て当事者等への支援についてでございますが、条例の素案では、全ての子どもについて、置かれた環境にかかわらず、適切に養育されることや生活を保障されることなど、子どもの成長を支えることを基本理念として規定したところであり、道といたしましては、こうした理念に基づき、子育てをしている家庭のサポートなど、子どもや若者、子育て当事者のライフステージに応じて切れ目のない支援に取り組んでまいります。
中野渡しほ
条例の目的に関して、道の責務についての御意見や、文末を「努める」ではなく「進める」にすべきという御意見が幾つもありました。それは、道としての責務をほかの全ての関係者と並列化するばかりではなくて、条例提案者としての主体性も持って進むべきとの声であると考えます。条例が目指す子どもたちが「幸福と感じられる」生活の具現化のために、道は何をしていくのか、どう取り組むのか決意を伺います。
今後の取組についてでございますが、本道の少子化の流れを変え、様々な環境に置かれた子ども一人一人を大切にし、その成長を後押しするには、今般の新たな条例の制定を通じ、「こどもまんなか社会の実現」を目指すという道の基本的な方向性を、子どもたちも含めた道民の皆様に分かりやすい形で発信いたしますとともに、北海道こども計画の策定により、道の子ども関連施策を総合的、一体的に進めていく必要があるものと考えております。条例や計画の作成に当たりましては、「北海道こども施策審議会」での御審議のほか、子どもたちとの意見交換を通じて、子どもや若者の状況やニーズを踏まえた内容となりますようこれまで検討を進めてまいりました。 道といたしましては、今後、知事を本部長とする「こども政策推進本部」で効果的な施策の進め方や周知方法等について協議を行うなど、道の各部とも十分に連携を図りながら、本道の全ての子ども、若者が身体的、精神的、社会的に幸福な生活を送ることができる社会の実現に向け、取り組んでまいります。