(令和7年3月17日)
子ども政策調査特別委員会会議録

中野渡しほ
今年度最後の質問となります。これまで質問してきた中で新年度に関するものを幾つか確認をさせていただきたいと思います。新年度における子ども施策について、道では、様々な子ども関連施策を展開すると承知していますが、以下、取組内容などについて、伺ってまいります。 まず初めに、新生児マススクリーニング検査についてであります。先天性疾患の中には、赤ちゃんのうちから治療を受けることで、病気の発症や障がいの重症化を予防できるものもあることから、全ての赤ちゃんを対象に新生児マススクリーニング検査を行うことが、非常に重要な取組と考えております。道では、令和7年度予算において、先天性代謝異常検査費として、新生児マススクリーニング検査の拡充を盛り込んでおりますが、具体的な取組内容について伺います。
中村 子ども政策企画課子ども成育支援担当課長
先天性代謝異常等検査についてでありますが、道では、現在、先天性代謝異常等の疾患の早期発見、早期治療を目的として、26疾患について、全ての新生児を対象に無償の検査を実施しておりますが、国では、検査対象を追加する場合の選定基準や検査診療体制等を検討するため、令和5年度から重症複合免疫不全症と脊髄性筋萎縮症の2疾患を対象に実証事業を実施しております。 当該2疾患について、現在、道内では、自己負担により検査を受けることができる体制が構築されておりますが、道では、家庭の経済状況等にかかわらず、全ての新生児にひとしく検査を受けていただけるよう、令和7年度から国の事業を活用し、公費による無償の検査の対象疾患に追加することとしたところです。

中野渡しほ
全ての新生児がひとしく無償で検査を受けることができるとのことでありますが、子どもたちの育ちや予後を考えますと、大変尊い取組となります。感謝申し上げます。
 では、広域分散型の本道において、医療機関の地域偏在が課題となっております。対象疾患を拡大する場合でも、道内各地で新生児マススクリーニング検査が円滑に実施できるよう医療機関等との協力体制が重要と考えます。道ではどのように取り組んでいるのか伺います。

中村 子ども政策企画課子ども成育支援担当課長
医療機関等との連携についてでありますが、検査を円滑に実施するには、分娩を行った医療機関において、保護者に対し、検査内容や、検査結果を国の調査研究に活用することを説明し、同意を得ていただくほか、陽性となった場合の治療実施体制の整備が必要です。
 このため、道では、今後、北海道医師会や検査機関等と連携し、出産を取り扱う医療機関や小児科医療機関等に対して制度の周知徹底を図り、保護者への説明等を円滑に行えるよう取り組むとともに、検査で陽性となった場合には、早期に、かつ確実に治療を受けることができるよう、治療に当たる小児科医療機関に対する助言を行う専門医を相談コンサルタントとして委嘱するほか、精密検査や治療を遅滞なく実施できる医療機関の指定を行うなど、実施体制の整備を進める考えです。

中野渡しほ
大変綿密な連携体制であり、安心感を覚えました。全ての新生児に手が届くようよろしくお願いいたします。
 もう一点伺いますが、ライソゾーム病については、今回の検査対象の拡大には含まれておりません。小児科医等の団体の取組により自費での検査が可能となっておりますが、今後、全ての新生児が検査を受けるためには、対象疾患の拡大も重要と考えます。道では、今後、どのように取り組むのか伺います。

森 子ども政策局長
今後の取組についてでございますが、道ではこれまで、重症複合免疫不全症など、近年、治療薬の開発等により、早期発見、早期治療が可能となった疾患についても、先天性代謝異常等検査の公費負担の対象とし、安定的かつ十分な財政措置を講じ、全国一律に検査が実施できるよう、全国知事会と連携し国に要望してきたところでございます。 令和7年度は、国の実証事業を活用し、公費負担の検査対象に2疾患を追加することを予定しておりますことから、まずは、これら2疾患について、円滑に検査や治療が行えるよう、体制整備や周知広報に努めるとともに、ライソゾーム病等については、引き続き、対象疾患の拡大を国に要望するなどしながら、子どもたちが健やかに成長し、安心して子育てができる環境の整備に取り組んでまいります。

中野渡しほ
次に、にんしんSOSほっかいどうサポートセンターについて伺います。このセンターは、様々な困難に直面している女性を支援する上で大きな役割を果たしており、運営体制の充実を図ることが重要と考えております。このような中、道では、令和7年度予算において、にんしんSOSほっかいどうの機能を拡充すると伺っておりますが、具体的な取組内容について伺います。

森 子ども政策局長
にんしんSOSほっかいどうについてでございますが、思いがけない妊娠などに悩む方々を個々の事情に応じて切れ目なく支援するため、道では、令和4年12月に社会福祉法人への委託により、にんしんSOSほっかいどうを開設し、助産師などの専門職が電話やSNS等を活用した相談支援を行うほか、居室を確保し、安定した住居のない妊産婦への緊急的な居場所の提供を行っております。
 来年度からは、国の妊産婦等生活援助事業を活用し、居室数を4室に増やすほか、さらに、きめ細やかな支援に向けて相談員などが個々の状況に応じた支援計画を策定し、産科等の医療機関受診や行政手続の際に同行支援等を行うため、委託料を増額したいと考えており、支援を必要とする妊産婦の方々に寄り添いながら、出産からその後の養育等に至るまでの一貫した支援に取り組んでまいります。

中野渡しほ
委託料を増額いただけるとのことで、センターは、月の相談件数が500件を超える状況に苦労されておりましたので、さらなる体制整備に大変ありがたがっていると思います。ありがとうございます。その上で今後は、相談者が増えていくことも予想されます。保健所や性暴力被害者支援センター北海道――SACRACH(さくらこ)、道立女性相談支援センターなどでも相談ができるということ、また、妊娠が心配な場合は、すぐに病院に行くことによって避妊薬なども使用することが可能になってくることなど、他機関の広報もしながら、スピード感のある対応ができるよう今後も調整を図っていただきたく、お願い申し上げます。
 続いて、里親支援センターについて伺います。道が、来年度から里親支援センターを設置する予定であることは承知しておりますけれども、既に設置している他都府県の取組も参考にすべきと考えます。他都府県では現状どのような課題があるのか、道としてのセンターの運営上の課題も併せて伺います。また、それらの課題についてどのような対策や取組をしていくのか伺います。

野邊 子ども家庭支援課虐待防止対策担当課長
里親支援センターの課題等についてでありますが、先行して里親支援センターを設置した他都府県では、センターと児童相談所など関係機関との効果的な連携の在り方が課題となっているものと承知しており、道においても、センターを円滑に機能させる上で、同様の課題があるものと考えております。 このため、道では、平成22年に地域の里親会が中心となって里親を継続的に支援する組織を立ち上げ、市や里親会との連携の下、委託前から委託解除後まで一貫した支援を行うことで、全国的に見ても高い水準の里親委託率を達成し、国の事業のモデルにもなった静岡市の取組を視察し、意見交換を行うなど、センター設置に向けて様々な準備を進めてきました。 道としては、今後、関係機関の参画の下、センターの運営協議会を設置する予定であり、本協議会において、静岡市をはじめ、他自治体の先進事例なども参考にしながら、連携体制構築の在り方など、効果的な運営方法を検討していく考えです。

中野渡しほ
里親の方々が養育に疲れたり、困難さを感じたときの一時的な休息として、いわゆるレスパイト制度があります。里親がつらいときには同時に里子にも目を向け、両者への配慮や支援が必要であります。特に緊急的なレスパイトの際は、慣れない環境で里子が不安や緊張、ストレスを抱えることがないよう、平時からの対策や準備が重要と考えます。里親支援センターが設置された場合、レスパイトについてどのような役割を持ち、里親、里子にどのような対応を行っていくのか伺います。

野邊 子ども家庭支援課虐待防止対策担当課長
里親のレスパイトケアについてでありますが、里子を別の里親や施設等に預け、一時的な休息を取るレスパイトケアは、里親の疾病等の緊急時の対応のほか、育児疲れや不安の解消など、里親の養育負担の軽減にとっても、重要な取組であり、その実施に当たっては、一時的に預けられた里子の心身のケアなどに十分配慮する必要があるものと考えております。
 レスパイトケアを実施するに当たり、センターは、児相と連携の上、里親に対し、休息が必要な場合、ためらわずに利用するよう働きかけることや、子どもにとって負担とならないよう、あらかじめ受入先施設や里親等と交流を行うことなど、里親や施設との調整業務を担い、受入先の決定や費用支弁は児相が行います。

中野渡しほ
ためらわずに利用するよう働きかけるとのことでありますが、里子が泣いて嫌がってほかの場所に行きたがらない様子があると、里親としてはかわいそうに思って我慢をしてしまうという場合もあります。里親からの里子の分離不安や、里親の養育負担が見受けられるような場合には、状況によって保育園やデイサービスなども利用する、そういった日常的に地域の様々な機関と連携を進めるべきということも指摘しておきたいと思います。 里子への虐待の未然防止対策についても伺います。家庭訪問などで普段の養育状況を専門的な視点で見ていくことが求められます。例えば、里子の靴のサイズは合っているか、部屋のタバコ臭や清掃状況、里子のせきや鼻詰まりなどの健康面、爪や髪の状態、表情や体形、行動の変化、里子に対する里親の言動、養育費の使い方など、早期の気づき、声かけ、関係機関につなげて経過観察をしていく連携体制なども重要であります。気づきの精度を高めるチェックリストの作成や活用も含め、虐待未然防止対策について、センターはどのような役割を担い、対応していくのか伺います。
堤 子ども政策局子育て支援担当局長
里親家庭における虐待防止対策についてでありますが、虐待など何らかの事情で家庭における養育が困難になり、里親に委託された子どもに対し、安全なはずの里親家庭において虐待が行われるということは、絶対にあってはならないと考えております。 虐待の発生予防のため、これまでも児童相談所が里親に対する研修や定期的な家庭訪問等を行ってきましたが、里親支援センター設置後は、センターが中心となって同様の取組を行うこととしており、特に家庭訪問においては、国のガイドライン等を基に、児相と連携し、里親の心身の状況や不適切な養育につながり得る子どもの言動、家庭環境の変化等、詳細な養育状況の把握に努めることとしております。 また、児相では、里子の行動観察で課題が発見された場合は、特性に合った関わりを里親へ伝えるため、心理検査を行うなど、虐待の未然防止につながる取組を行っております。 道といたしましては、センターと児相との緊密な連携の下、里親や子どもの小さな変化も見逃さず、早期に課題等を把握し、必要な支援を行うことで、虐待の発生予防と子どもの健全な育成に努めてまいります。
中野渡しほ
来年度からは、「こども誰でも通園制度」が制度化されるほか、1歳児の職員配置改善に係る加算の創設などにより、今後、保育所等における保育士の確保がますます重要な課題となると考えられます。道は、今年度から保育士・保育所支援事業を開始しており、来年度からはその事業内容が拡充されるとのことでありますが、これまでの取組と来年度の拡充について伺います。
森 子ども政策局長
保育士・保育所支援事業についてでございますが、「こども誰でも通園制度」や障がい児保育など、保育ニーズが多様化する中、人材の確保と質の担保が喫緊の課題であることから、道では本年度より、保育士・保育所支援事業を開始し、保育事業支援コンサルタントが、各保育施設の個別相談に応じ、集合セミナーを開催することなどで、勤務環境改善に取り組むとともに、保育士キャリアアドバイザーが、再就職に不安を抱える潜在保育士等への就労相談支援を実施してきたところでございます。 来年度からは、こうした取組に加え、保育士が中高生の進路の選択肢となり、また、離職した保育士の現場復帰の後押しとなるよう、保育士の賃金水準の改善状況や、資格取得や就労支援のための道や市町村の各種補助制度といった、様々な情報を一元的に発信するポータルサイトを新たに構築し、保育の仕事のやりがいや魅力などを分かりやすく発信することで、保育士のさらなる確保や職場定着支援を進めてまいります。
中野渡しほ
今日、取り上げました質問は、妊娠期の問題から新生児、また就学前の子どもたちの保育園、それ以降の子どもたちの里親支援センターと、子どもたちを守り育むものであり、数々の施策の前進に敬意を表し感謝を申し上げたいと思います。 北海道こども基本条例の制定を目指しているわけですが、今後は胎児に対しても細やかな対応が妊婦と同様に必要であるという位置づけを明確にしていくことも重要だと考えております。胎児の命は親や大人のものではなく胎児のものとして大切にしていく北海道を目指し、質問を終わらせていただきます。
上部へスクロール