(令和7年4月9日)
子ども政策調査特別委員会会議録

中野渡しほ
今月は一日から北海道子ども基本条例が施行となりました。子どもが将来にわたって幸福な生活を送ることができる社会の実現に寄与することを目的とするという条例であります。最初の御報告が児童虐待相談対応件数、過去最多というものであり、ここにいる皆様と共に、真剣に対策に取り組んでいかなければならないと強く考えるものであります。今回の報告では、令和5年度の状況を1年がかりで分析し、公表しているものであります。昨年10月のこの特別委員会で児童虐待の状況について伺いました。その答弁が、道の児童虐待相談対応件数は、精査中でありますが、令和4年度は5855件でありますけれども、これを上回る件数が見込まれており、高い水準にあるものと認識しているとの答弁であります。スピード感を持って必要な予算をすぐに確保し、この4月にはしっかりと対策に乗り出すべきだったのではないでしょうか。10月の答弁からさらに半年もかかってようやく件数を公表しております。実際にこの1年間、令和6年度はもっと件数が増えているのではないでしょうか。重症化しているとも考えられるのではないでしょうか。子どもの心身を守ることは、子ども政策調査特別委員会の存在意義であり、児童虐待対策は、最重要課題でもあります。今回の報告は国の公表を待っていたということのようでありますが、道として、もっと早期の公表を国に働きかけるべきではないでしょうか。1年も前の件数を基に施策の議論をする今の現状について、道はどのように考えているのか、伺います。

柿本 子ども家庭支援課虐待防止対策担当課長
児童虐待相談対応件数の公表についてでございますが、国では、児童虐待防止対策の参考資料として、8月から10月に、前年の全国の児童相談所における児童虐待相談対応件数の速報値を翌年1月頃に確定値を公表してきており、道におきましても、国と時期を合わせて公表しているところでございます。 昨年、令和4年度分の確定値を国が公表する際、一部自治体において、計上に誤りがあったことが明らかとなり、再集計を行うこととなったことを受け、令和5年度分の確定値の公表も令和7年3月に後ろ倒しとなり、これに合わせて、道の公表も今般の時期となったものでございます。 道といたしましては、国に児童虐待相談対応件数の早期の公表に関しまして、進捗状況を適宜確認しながら促してきたところではございますが、国及び道とも、児童虐待相談対応件数が増加し、高い水準で推移している状況を踏まえまして、今後も、正確な統計情報の公表に努め、着実に施策を推進してまいります。

中野渡しほ
着実な施策の推進ということでありますが、長期間かけた数の中身の精査だけではなく、道としての今の現状に即した対策も必要なのではないでしょうか。勇気を持っていち早くと通告をしてくださった道民の方々もいます。すぐに現場に駆けつけている警察もおります。道や国に長い期間をかけた精査で正確性を求めて行動しているわけではないのではないかと思います。昨年10月の委員会で、道では、児童相談情報管理システムを運用しているとの答弁がありましたが、このシステムにより何の件数や状況把握がなされているのか、なぜスピード感を持って関係機関と連携して注意喚起や具体的な防止対策を打たないのか伺います。

柿本 子ども家庭支援課虐待防止対策担当課長
システムによる状況把握などについてでございますが、道の児童相談情報管理システムは、児童相談所に相談のあった内容や対応を記したケース記録や里親情報等を登録することで、児童相談所内の各部署で情報共有が可能となっておりますほか、児童虐待相談対応件数や一時保護の件数など、統計的な情報の抽出も可能となってございます。各児相が個別事案に対処した場合には、関連する情報を児童相談情報管理システムに登録し、他の事案の情報を適切に活用するとともに、関係機関と必要な情報を共有して対応を検討するなど連携促進に努めているところでございます。

中野渡しほ
虐待件数や一時保護の件数など、統計的な情報の抽出も可能との御答弁でありますけれども、そうであるならば、道の中枢の特別委員会で令和5年度の結果だけで議論していてよろしいのでしょうか。例えば、同様に命に関わるもので交通事故がありますが、この件数は日々リアルタイムで把握され、交番などに掲示したり、様々な手法で道民に注意喚起をし、道民も一緒になって地域で交通安全の旗を振って事故抑止に取り組み、実際に成果を上げております。
 また、月ごとの件数の推移も重要と考えます。夏休み明け間もなくが、子どもの自殺の件数が多く、特に9月1日が最も要注意として注意喚起が続けられ、抑止力となっております。児童虐待の統計的な情報の抽出が可能なのでしたら、上昇時に注意喚起をすべきではないでしょうか。ここで、月ごとの様子も教えてください。

柿本 子ども家庭支援課虐待防止対策担当課長
児童虐待対応件数に関する対応などについてでございますが、虐待と認定するまでには、社会調査や心理判定、面接など、様々な調査等を実施するなどの手順を経る必要がありますほか、その内容や程度は様々であり、件数の公表については、統一的な基準の下、数値の精査に一定の期間を要しますことから、国の公表に合わせて公表しているところでございます。
 なお、令和5年度の虐待通報件数は、月ごとに集計、公表はしてございませんが、4622件となってございまして、現在も重大事案などが発生した場合には、個別事案の情報を各児相を含め、関係機関にも可能な限り速やかに情報提供をし、各地域での対応力強化を図っているところではございますが、今後とも虐待の発生を未然に防止していくため、道民の皆様に虐待についての認識を深めていただくとともに、相談先の周知や関係機関のさらなる連携強化を図ってまいります。

中野渡しほ
令和5年度の月ごとの推移の把握もできていないということでありますけれども、虐待の通報件数の総数、これは正確に出せるものになっております。それでも十分正確な数であるといえます。中身の精査を毎回、とことん突き詰めた数でなければならないということでもない。急がなければならないという、上昇時の対策というのが、子どもを守るためにも優先されなければならないのではないでしょうか。例えば、上昇傾向にあるという傾向性だけでもその抑止力を働かせることができるはずです。例えば、夏休みの猛暑続きの中、通報が急増している、そういう報じ方だけでも、例えばエアコンのある公共施設を子どもの居場所として開放していくなど、地域の力も働いていくわけです。令和5年度は過去最高の件数という状況について、全国と道の傾向性や課題、見識や認識について伺います。
 また、児童の心身につらく耐え難い身体的虐待及び性的虐待について、被害を受けた児童の年齢層や通告の経路、虐待者の傾向などの実態を伺うとともに、前回と同様の質問をさせていただきますが、虐待への対応として助言指導が約9割を占めておりますが、それは適切だったのか、再度虐待と認定されたケースはないのか伺います。

桑原 子ども政策局子育て支援担当局長
児童虐待の状況等についてでありますが、令和5年度の児童虐待相談対応件数は、全国で22万5509件、道で4090件となっており、いずれも過去最多を更新したところでございます。主な傾向といたしましては、全国及び道のいずれも、虐待の内容別では心理的虐待、経路別では警察からの通告による対応件数の割合が多くなっておりますが、心理的虐待では、依然として、配偶者への暴力を目撃するなどのいわゆる面前DVが多く認定されているところであり、日頃から、市町村をはじめ、関係機関が連携し、子育て家庭の養育状況を把握するための見守り活動など、未然防止に向けた取組が重要であると認識しております。
また、身体的虐待につきましては、年齢層では10代が50.6%、経路別では警察からが37.3%、虐待者別では実母が46.8%と最も高く、性的虐待では年齢層は10代が83%、経路別では児童相談所等からが37.7%、虐待者別では実父が49.1%と最も高くなっております。このほか、虐待通告があった場合、各児相では関係機関と連携、協力しながら調査を行うほか、アセスメントシートを活用して、リスク評価し、優先度を踏まえて対応方針を判断しており、助言指導と判断したケースにつきましては、その後、市町村が中心となって見守りや子育て支援等を行っているところであります。
なお、令和4年度に助言指導で終結した3210件のうち、令和5年度に再度虐待と認定しているケースにつきましては、323件となっており、市町村をはじめとする地域の関係機関と連携した再発防止に向けた取組を強化する必要があると認識しております。

中野渡しほ
お答えいただきました再度虐待として認定されたケース件数は、前回私が質問させていただいたときには75件、今回で323件となっております。正確な精査に時間をかけたのであれば、もっと実態を明らかにし、一刻も早く児童を救う具体策を探り出すべきではないかと考えます。有効な発見経路となっているのは何なのか、兄弟なのか、保育所なのか、また、助言指導と判断したケースはその後市町村の中心となって見守りや子育て支援等を行っているとのことですが、助言や見守りで家の中で起こっている暴力や性的な虐待を止めることはできておりません。かといって児相の一時保護や里親には抵抗がある子どもたちもいます。道には道立の中高一貫校などがあるわけです。一定枠を設けて寮生活という形で、母子分離、父子分離を行うなど、確実な対策が必要となるということを指摘しております。児童虐待について、また具体的な実態を明らかにしていただきたい、また質問させていただきますので、有効な対策を示していただきたいと思います。
 では、札幌市における子育てデータ管理プラットフォームについて、札幌市との情報交換を行う旨の答弁をいただいておりましたが、その結果について伺います。

柿本 子ども家庭支援課虐待防止対策担当課長
札幌市との情報交換などについてでございますが、札幌市では、乳幼児健診などの母子保健の情報システムと児童相談に関する情報システムを統合した子育てデータ管理プラットフォームを構築し、関係部署が情報共有の下、乳幼児健診の受診状況などから虐待危険度を点数化し、虐待の見落としの防止に取り組んでいるものと承知しております。
 道におきましては、現在、各児相に虐待通告があった場合、事案ごとにリスクを評価するアセスメントシートを活用し、かつ優先度を踏まえて、支援内容などの対応を検討しているところではございますが、道のシステムでは、札幌市と同様に道内各市町村において随時更新される母子保健に関する情報を共有するのは困難でありますことから、市町村や学校等の関係機関から必要な情報を収集、共有し、連携を図りながら、事案ごとに適切に対処してまいります。

中野渡しほ
子どもの心身の安全や命がかかっているという責任感を持って、月の推移やリスク把握などの必要なときにスピード感を持って対応できるシステムの整備を、道としてもしていくべきということを指摘をしておきます。
 では、こども家庭センターの設置状況について、伺います。昨年10月には全国で最も低い水準でしたが、どのような状況になったのでしょうか。お伺いします。

柿本 子ども家庭支援課虐待防止対策担当課長
こども家庭センターの設置状況についてでございますが、こども家庭庁が実施した調査結果によりますと、令和6年5月1日時点で、道内では179自治体のうち、設置済みが28自治体であり、道の追跡調査で令和7年2月1日現在、設置済みが5自治体増の33自治体となったところではありますが、設置率は依然として全国で最も低い水準となっております。
 道ではこれまで未設置市町村に対し、センター設置の意義を伝え、個別課題のヒアリングを行いますとともに、国や先進自治体の職員を招いて説明会や研修会を行うなど、積極的に働きかけを行ってきたところでありまして、今後、設置を検討している自治体のさらなる増加を見込んでいるところでございます。

中野渡しほ
先般、虐待や性暴力などに関わっている医師から、ユースクリニックの道内における早期設置を求める声がありました。どのようなクリニックなのでしょうか。設置についての道の所見について伺います。

桑原 子ども政策局子育て支援担当局長
ユースクリニックについてでございますが、ユースクリニックは、国の科学研究費補助金による報告書において、学術的定義は未定であるが、一般的には身近な地域で若者が自身の心や体、性の悩みなどを無料で気軽に相談できる場所との考え方が示されておりまして、中学生から25歳程度までを対象に、若年者の予期しない妊娠中絶などを防ぐ、月経困難症などに必要な医療介入を行うことを目的とし、医師や助産師、看護師などの相談員の専門性等により、性の悩みに加え、思春期特有の精神的な悩み、摂食障がい、デートDVなどの多様な相談を受け付けるものと承知しております。
 また、ユースクリニックにつきましては、まだ統一的な評価や研究データが十分ではなく、3年間の研究期間が予定されており、実態把握や先駆的な取組の事例収集、有用性に関する学術的な根拠の評価などが実施されるものと承知しておりまして、道といたしましても、まずは、国の動向を注視してまいりたいと考えております。

中野渡しほ
北海道子ども基本条例では、子どもの権利に若者も含めているわけですが、学童期と若者では対応が変わってきます。東京都では、若者部会を設置することになりました。若者世代における心身の発達や社会的課題、若者世代の意見などに適切に対応する若者部会や若者のための相談支援センター、そしてユースクリニックなどの整備を道としても進めていくべきと考えます。それが虐待の早期発見や早期の心身のケア、サポートにつながってまいります。
 最後に、児童虐待の防止に向け、今後どのように取り組むのか伺います。

野澤 保健福祉部子ども応援社会推進監
今後の取組についてでございますが、児童虐待相談対応件数が過去最多となる中、道では、児童虐待への対応のため、児童福祉司など専門職員の確保や研修の充実による職員の資質向上など、児童相談所の体制強化を進めてまいりましたほか、支援ニーズの高い児童の状況把握や地域の関係機関との連携強化などにも取り組んできたところでございます。 また、子どもとその家族にとって最も身近な市町村が、学校、保育所などの関係機関と連携し、虐待の未然防止や支援が必要な家庭の効果的な見守り等を行えますよう、市町村との合同での家庭訪問、要保護児童対策地域協議会の運営や虐待対応に係る技術的助言を行いますとともに、全ての妊産婦や子育て世帯を対象に、切れ目ない支援を行うこども家庭センターにつきまして、早期の設置に向け、未設置市町村への支援に取り組むほか、里親支援センターの設置による家庭養育の一層の推進などを通じて児童虐待の防止と早期対応に万全を期してまいります。

中野渡しほ
今、おっしゃってくださったこども家庭センターについてでございますが、道の働きかけや市町村が検討を進めている中、他府県のように、設置が進まない現状が続いております。こども家庭庁が示しているセンターの設置条件がそもそも広域で専門家人材の少ない本道の実情に合わないのではないでしょうか。こども家庭センターの持つその機能と同等の機能が備わっているかどうかということを重視し、例えば専門家とオンラインでカンファレンスをしていくなど、柔軟性を持って進めていくことを指摘をいたします。

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