中野渡しほ
医療的ケア児について伺ってまいります。医療的ケアを必要とする子どもたちの保護者によって設立されたNPO法人ソルウェイズが、医療型短期入所施設、重症児デイサービス、小児科クリニック、幼児保育、カフェもある複合型施設を今月、石狩市に新設いたしました。開所式にお招きいただきまして、池端委員長、野澤子ども応援社会推進監と共に出席をさせていただきました。
代表理事が御挨拶の中で、二人のお子様が医療的なケアを必要とされ、ぐっすり眠ることもできない子育てをされている様子を語られ、悲願の複合型施設の完成に私も感極まりました。
医療的ケアを必要とする子どもたちとその家族は、全道各地でこのような施設を希望されております。この「あいのカタチ」という施設がどのようにして新設することができたのか経過を伺うとともに、この施設に対する道の所見を伺います。
石狩市の医療型短期入所施設についてでありますが、このたび施設を開設したNPO法人ソルウェイズでは、建設資金等として公益財団法人の助成金や民間からの寄附等を活用したと伺っており、道といたしましても、医療法施行規則に基づく特例病床の確保など、施設設置に関する申請手続をはじめ、医療や障がい福祉制度の活用に関し助言等を行ってきたところです。当該施設は、医療的ケア児に対応した医療型短期入所に加え、放課後等デイサービスや児童発達支援等の障害福祉サービスが提供されるほか、小児科を標榜する診療所や病児保育室が併設されるなど、医療的ケア児がなれ親しんだ職員に囲まれて、必要なときに適切なサービスを利用しながら、御家族も十分な休息が取れるなど利用者にとって大変利便性が高い複合型の支援施設であると認識しております。
中野渡しほ
道からもいろいろな助言や応援をしていただけるということでありますけれども、レスパイトについても伺います。医療的ケアを必要とする子どもたちを育てる中で、孤独感や疲労感などで精神的に追い込まれ、追い詰められ、親が加害者となってしまい、子どもが被害を受けてしまう大変つらく悲しい事件がたくさんあります。障がいのあるお子さんを育てている全道の保護者から、かねてからレスパイトについての訴えがあったわけですが、これまで具体的にどのような声があり、道としてどのような認識を持ち、これまでどのような取組を行ってきたのか、また課題についても伺います。
中村 子ども家庭支援課長
レスパイトについてでありますが、道が毎年度実施している医療的ケア児等状況調査では、医療的ケア児の御家族から、レスパイト入院や医療的ケア児を対象とする短期入所がほとんどない、預け先がなく親が休息を取ることができず、ストレスがたまり、これから先の育児に不安があるといった意見が出されており、緊張感や慢性的な疲労など、心身の負担が大きい医療的ケア児を看護する御家族にとって、安心して休息できる、いわゆるレスパイトは非常に重要と認識しております。
道では、昨年度から、国の医療的ケア児等総合支援事業を活用し、医療機関等への委託により看護職員等を自宅や外出先へ派遣するなどして、医療的ケア児等を一時的に預かり、医療的ケアや入浴介助、見守り等を行うレスパイトを目的とした事業への補助を実施しておりますが、道内自治体では活用事例が少ないことから、道といたしましては、引き続き、市町村に本事業を周知し、活用を促すなど支援体制の拡大に向けて取り組んでまいります。
中野渡しほ
では、道内の医療型短期入所施設の設置状況について伺いたいと思います。今、どのような設置状況にあるのか、また設置に向けてどのような課題があり、道としてこれまでどのように支援をしてきたのか、今後どのように取り組んでいくのか伺います。
中村 子ども家庭支援課長
医療型短期入所施設の状況についてでありますが、現在、道内には札幌市7事業所、小樽市3事業所、旭川市と帯広市に各2事業所、函館市と美幌町、このたび開設した石狩市に各1事業所の計17事業所が指定を受けているところです。
医療型短期入所事業所を確保していくためには、必要な設備や人員などの整備が課題となりますことから、道では、事業に見合った報酬が得られるよう国に要望してきており、昨年度の障害福祉サービス等の報酬改定においては、受入れ前に自宅を訪問して医療的ケアの手技等を確認した場合の加算が創設されたほか、緊急短期入所受入加算の単位数見直しなどが行われたところです。
道といたしましては、医療機関等が地域の状況に応じて、短期入所事業に取り組んでいただけるよう国に対し、質の高いサービス提供を行うため、看護師等の専門的な職員をさらに配置した場合の加算の創設や診療報酬と同程度の単価の引上げなどさらなる報酬改定等について要望してまいります。
中野渡しほ
要望を一つ一つ前に進めていただいているということで、感謝を申し上げます。
医療的ケア児の避難体制についてもお伺いします。あらゆる災害や2次的被害であるブラックアウトや断水、道路の寸断、そして厳寒の寒さや連日の猛暑なども想定し、子どもの命と生活を守るために万全を期していかなければなりません。特に医療型短期入所施設は、地域の重要な避難所となっていく場合が多いわけです。医療的ケアを必要とする子どもたちを守る、専門的視点による避難所のマニュアルや備蓄品のチェックリストを道は持っているのでしょうか。医師等の派遣体制、子どもの救急搬送体制、避難訓練や防災会議の持ち方などの指導、支援はなされているのでしょうか。平時からの体制整備が重要であります。激甚化、頻発化されている災害からどのように医療的ケア児を守っていくのか伺います。
中村 子ども家庭支援課長
医療的ケア児等への防災対策についてでありますが、国では、災害発生時等においても、社会福祉施設等の利用者が必要なサービスを安定的、継続的に利用できる体制を構築するため、サービス事業者に対し、業務継続計画等の策定や関係職員への研修、訓練を法令で義務づけていますことから、道では、障害福祉サービス事業者等として必要となる非常災害対策計画を策定するための手引や業務継続計画の作成例を整備し、助言等を行ってきたほか、事業所に対して、運営指導時に計画の策定状況を確認するとともに、本年3月、改めて業務継続計画等の作成について通知をしたところです。
また、市町村に対しては、災害発生時に地域の実情に応じて開設する福祉避難所の設置に要する費用について財政支援を実施してきているところであり、道といたしましては、今後とも、一般的な避難所での生活が困難な医療的ケア児とその御家族が、安全な避難生活を送ることができるよう支援を行う人材を広域で確保する仕組みの構築など、福祉避難所の確保に向けた支援に取り組んでまいります。
中野渡しほ
こども誰でも通園制度における医療的ケア児の受入れについてお伺いします。こども誰でも通園制度は、昨年度は国の試行的な事業として実施されました。今年度は、地域子ども・子育て支援事業として制度化され、希望する市町村が実施しております。そして、令和8年度からは子ども・子育て支援法に基づく新たな給付制度として、全国の市町村で本格実施される予定であります。現在、国において本格実施に向けた制度の詳細が検討されているものと承知しておりますが、本制度における医療的ケア児の受入れに対する認識と、今後の取組について所見を伺います。
医療的ケア児の受入れについてでございますが、こども誰でも通園制度に関する国の手引では、医療的ケアを必要とする子どもの受入れに当たり、適切かつ安全に医療的ケアを提供することはもちろんのこと、利用認定時に子どもの特性や状態、家族の状況などを丁寧に把握した上で、受入れの可能性を検討することや、医療や母子保健、障がい福祉等の関係機関が連携して必要な受入れ体制を整備しておくことなどが示されております。 道といたしましては、制度の本格実施に向けまして、保育士や看護師を含めた人員配置や補助単価など、実施主体である市町村の取組状況や意見を把握しながら、サービス提供体制の確保に向けた助言等を行いますとともに、給付化に伴う公定価格の設定など、国の検討状況を注視しつつ、特別な配慮が必要な子どもに対しても、市町村や施設が円滑に取り組むことができる制度となりますよう引き続き国に要望してまいります。
中野渡しほ
こどもの意見反映推進事業における障がいのある子どもたちの参加についてお伺いします。今年度は、全ての障がい種別において、子どもたちから意見を聴取していくこととなっておりますが、いつ、どのような年齢の子どもたちに、どのように聴取していくのか伺います。
障がいのある子どもたちから意見を聞く取組についてでございますが、道では、昨年度からこどもの意見反映推進事業として子ども政策や環境生活、農業、教育などの道政10分野について、インターネットを活用したアンケートや全道の小中高校を訪問しての聞き取りなどを通じて、子どもたちの意見を道の施策へ反映する取組を実施してございます。 今年度は、昨年度実施した内容に加えまして、障がいの種別ごとに道内の特別支援学校各1校を対象に追加し、事前に学校と丁寧に調整を図った上で各学校を訪問し、子どもたちから意見を聞くこととしてございまして、参加する子どもの年齢をはじめ、子どもの特性に応じて応答の手助けとなる絵や写真等の視覚的な情報や分かりやすい選択式の回答を用意するなど、子どもたちが安心して、かつ主体的に意見を言えるよう工夫してまいります。
中野渡しほ
医療的ケア児の成人への移行についてお伺いします。「あいのカタチ」の視察をさせていただきましたが、プラレールを眺めたり、おもちゃを握ったり、絵カードを見ながら話しかけられたり、どこを見ても人との関わりがありました。しかし、義務教育が過ぎて、例えば国立の病院に移行したりする場合、その様子を見ておりますとリハビリ以外の人との関わりが激減している状況にあります。義務教育期間と変わらない関わりと子どもの成長を保護者は願っております。また、成人移行後の介助の負担が大きいとの声も伺いました。成人に移行しても、医療的ケアを必要とする子どもの状況が急に変わるわけではありません。むしろ体が大きくなり、介助の大変さも増していきます。社会性や生きがいの質を維持させながら移行していく体制整備について、道としての所見を伺います。
医療的ケア児の成人期への移行についてでありますが、医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律では、18歳以降であっても、適切な保健医療サービスや福祉サービスを受け、日常生活及び社会生活を営むことができるよう配慮することが、基本理念として掲げられております。道では、医療的ケア児等支援センターにおいて、医療的ケア児の移行期や成人期の課題についての相談支援に取り組んでいるところであり、引き続き、御家族や関係団体の御意見をお聞きしながら、医療的ケア児のライフステージに応じた支援が提供できるよう、市町村と連携しながら移行調整を進めるほか、成人期の支援に関しては、重度の障がいがある方の介護や生活に関する相談を行う重度訪問介護や、事業所に通うなど日常生活上の支援や創作、訓練活動を行う生活介護等の障害福祉サービスが、必要とされる支援の度合いに応じて適切に提供できるよう、障がい者や地域の実情を踏まえた単価、報酬の設定について、国に要望してまいります。
中野渡しほ
最後に伺います。「あいのカタチ」を利用する子どもの保護者からは、みんなの声を聞いて支援の取組に反映してほしいといった意見も伺いました。今後、道として医療的ケア児及びその保護者の意思を尊重しながら、住み慣れた地域で安心して子育てを続けていけるよう、どのように支援に取り組んでいくのか、所見を伺います。
今後の取組についてでございますが、医療的ケア児とその御家族が、短期入所事業等各種サービスを活用し、身体的、精神的負担の軽減を図るなど、お住まいの地域で、それぞれの方々が抱える様々な課題やニーズに応じた適切な支援を受けられることが何より重要であると考えております。 このため、道といたしましては、北海道医療的ケア児等支援センターでの相談対応や医療的ケア児に関する状況調査の実施により、現状や課題、支援ニーズを把握し、地域における医療的ケア児への支援を総合的に調整するコーディネーターの養成など必要な人材確保に努めますとともに、利用者にとりまして利便性の高い複合型の支援施設での取組事例を広く御紹介するなどして、医療的ケア児とその御家族の意思が最大限に尊重され、できる限り住み慣れた地域で必要なサービスを受けながら安心して生活できますよう支援体制の充実に向けて取り組んでまいります。