(令和7年6月16日)
子ども政策調査特別委員会会議録

質問内容/答弁内容

中野渡しほ
私からは、北海道難聴児支援推進協議会において協議されてきた難聴児支援に関するアンケート調査等について、お伺いいたします。本年2月の当委員会において、北海道における難聴児への支援体制を検討するに当たり、関係者等へのアンケート調査を実施するとの答弁をいただきました。その中で保護者には、これまで利用した療育機関、相談、支援の対応状況について、そして支援に携わる職員に対しては、療育に係る情報収集先や実践内容、自身の相談先等の調査項目があるとのことでしたが、回答者の内訳も含め、今回のアンケートでどのような結果を得たのか伺います。また、具体的にどのような支援体制の拡充を求める声があったのか伺います。

中村 子ども家庭支援課長
アンケート調査の結果についてでありますが、まず初めに、保護者調査では188名の方から回答があり、利用したことのある療育機関については、延べ人数で、聾学校の乳幼児相談室が135人、児童発達支援事業所が97人、放課後等デイサービスが74人の順に多く、関係機関による支援等への評価については、聴覚障がいやコミュニケーションの取り方に関する説明に関して、役に立ったとの意見が多かった一方で、福祉制度や利用方法等や、相談窓口の情報提供に関しては、十分でないという声がやや多く、今後希望する内容については、保護者向けのセミナーや手話講座などが挙げられました。 次に、職員調査では、159名から回答があり、療育を学んだ先については、延べ人数で、日々の実践からが100人、聾学校教諭による研修会が71人、インターネットでの情報収集が61人などとなっているほか、具体的に取り組んでいる療育内容に関しては、個別の悩み、困り感の相談対応と、お子さんとのコミュニケーションの取り方の説明が、それぞれ93人、具体的な育児の方法や発達支援に関する説明、支援が69人などとなっており、職員自身が相談する者としては、聾学校の教職員が80人、言語聴覚士が53人、児童発達支援事業所等の職員が42人、相談したい者としては、言語聴覚士が117人、聾学校の教職員が113人、医師が72人などとなっております。また、保護者からは、都市部以外の地域における相談体制の整備や福祉制度の周知、同じ年代の難聴児やその家族と交流する場の確保といった意見が出されております。

中野渡しほ
多くの方から御回答いただき、私もアンケート調査の資料を確認させていただきましたが、全国的にも珍しい、保護者側と支援側の双方の率直な声が届けられており、担当課の方々には、大変貴重で重要な仕事をしていただき、感謝を申し上げたいと思います。
 先日開催された協議会の中では、アンケートの結果について、どのような声があったのでしょうか。また、アンケート結果を踏まえ、中核的機能を持ったセンターの早期設置の必要性について、どのように総括しているのか伺います。

中村 子ども家庭支援課長
協議会での意見についてでありますが、アンケート調査の結果につきましては、本年3月に開催した北海道難聴児支援推進協議会の場で報告し、委員からは、北海道は広域なことからオンラインなどで相談できるようなサポート体制を整備してほしい、この調査から一人一人のニーズを把握し、北海道らしさを生かした療育システムをつくり上げていけたらよい、既存のネットワークなどを活用した場合や、新たに拠点を設置する場合の特徴を明らかにし、北海道の広域性を踏まえて検討するべきといった御意見がありました。
 また、今年度につきましては、他の都府県の取組等も参考に、道内における支援体制の方向性について、協議会でさらに議論を重ねていくこととされたところです。

中野渡しほ
アンケートからは福祉制度や利用方法等をきちんと教えてほしいという声や、相談窓口が不十分という声、また聾学校の先生以外に医師や言語聴覚士への相談も多いということが分かりました。そして、地方の相談体制を求める声があるとのことであります。その一方で、協議会では新たに拠点を設置する場合の特徴を明らかにし、広域性を踏まえて検討すべきといった声があるとのことであります。以上のような回答者と協議会参加者の声を、道としてどのように受け止めているのか伺います。アンケート結果を踏まえて、総括的に中核的機能を持った難聴児支援センターの設置について、道としてどのように認識をしているのか伺います。

中村 子ども家庭支援課長
難聴児支援センターについてでありますが、道では昨年度、北海道難聴児支援推進協議会を設置したことで、国が定める難聴児支援に係る中核的機能の基礎を整えたところですが、アンケート調査で多くの保護者等の皆様からいただいた大変貴重な御意見や協議会における御意見を踏まえ、北海道の広域性や地域資源の状況等に応じ、中核的機能を充実させていく必要があると認識しております。
 道といたしましては、オンライン相談の活用など支援体制の在り方や既存のネットワークのより効果的な活用をはじめ、センターなどの拠点設置の必要性を含めた今後の中核的機能の在り方について、協議会の場で議論を重ね、令和8年度末までに、難聴児に対する切れ目のない支援体制の整備や関係機関の連携強化が図られるよう取り組んでいく考えです。

中野渡しほ
では、他県での取組について伺います。設置には国のどのような事業を活用し、県の負担はどの程度なのか、そのほか、どのような情報を収集できたのか伺います。中核的機能の設置により、子どもの成長や保護者の声など、どのような効果があったのかも伺います。

中村 子ども家庭支援課長
他県の取組についてでありますが、都道府県が中核的機能を整備する場合には、聴覚障害児支援中核機能強化事業を活用し、国から2分の1の補助を受けることが可能でありますが、協議会の設置をはじめ、関係機関との連携体制の整備、保護者などの家族等への相談、情報提供などの対応、聴覚障がい児支援に携わる支援者に対する巡回支援の実施、聴覚障がい児に対する研修、啓発の五つの事業を全て実施することが補助要件とされております。
 他県では、病院など医療機関や障がい者福祉団体等への委託により支援センターを設置している例や、協議会や実行委員会を含めた関係機関の連携体制を構築している例など、地理的条件や医療、福祉、教育などの地域資源の状況に応じた様々な設置形態の事例がありますが、地域の実情を踏まえながら、中核的な機能を整備し、その充実を図ることは、難聴児とその御家族に対し、ライフステージに応じた継続的な支援に資する取組になると考えております。

中野渡しほ
アンケートでは、医師や言語聴覚士へ相談を希望する方が多いということが分かったわけですが、総合病院にセンターを設置した場合の効果について、道の所見を伺います。

中村 子ども家庭支援課長
支援センターの医療機関への設置についてでありますが、医療機関内の複数の関係科が、医師をはじめ、聴覚分野や言語発達に詳しい言語聴覚士等の専門職の連携により、個々の状況に合わせた切れ目のない診断、治療につながるなどの効果があると考えております。

中野渡しほ
私、岐阜大学医学部附属病院にあります岐阜県難聴児支援センターを視察し、伺ってまいりました。総合病院にセンターがあることで、子どもの診断も治療状況も同じ病院内で情報共有をしながら、相談や療育に当たることができます。受診日以外には来ることがなかった保護者がよく来るようになり、個別相談や福祉制度の説明なども丁寧に行われておりました。医師にとっても、子どもがセンターで遊んでいる自然な姿を見ながら、聴力や発達の確認ができ、子どもにとってもストレスがないとのことでありました。また、センターがあることで、病院以外にも派遣で活動することができるようになり、地方での研修の講師をしたり、地方の耳鼻咽喉科とのネットワークも築くことができるようになったとのことでありました。センターを中心とした地方や聾学校、療育センター、保育園等との連携強化や難聴児の治療と療育、相談支援の質の向上を図ることができておりました。協議会で出されていた声に応えるためにも、ぜひ札幌医科大学の耳鼻咽喉科にセンター設置による効果を御説明いただく機会を持つことを指摘いたします。
 では、専門家人材の確保について伺いますが、中核的機能においては、どのような専門家人材が必要となり、センター設置に向け、どのように人材を確保していくのか伺います。

中村 子ども家庭支援課長
専門人材の確保についてでありますが、難聴児支援の中核的機能の整備に当たりましては、難聴児とその御家族に対し、早い段階から切れ目のない支援等を行うことができるよう、専門的な知識を有し、関係機関、団体等との連携をコーディネートする人材が必要となります。
 道といたしましては、協議会における今後の支援体制の整備に向けた検討に合わせまして、言語聴覚士等の専門人材の確保方策についても御意見を伺ってまいります。

中野渡しほ
新生児聴覚検査についても伺いますが、アンケート調査結果と協議会からの要望、道の所見について伺います。

中村 子ども家庭支援課長
新生児聴覚検査に関するアンケート結果についてでありますが、保護者調査の回答者188名中、検査を受けた方が164人、87%、検査を受けなかった方が23人、12%であり、検査を受けなかった理由で最も多いのは、検査に対応していない病院で出産したからでありました。
 また、新生児聴覚検査や精密検査等でお子さんが難聴と分かった後、どのような支援や説明があるとよかったかについては、延べ人数で、人工内耳や補聴器など難聴に関する情報が148人、治療や療育など、今後の流れについての情報が121人となっております。協議会での御意見といたしましては、検査に係る公費負担の拡大について、幅広く市町村に働きかけるよう御意見がありましたことから、道といたしましては、引き続き、市町村に対し公費負担による検査の実施や保護者への指導援助が適切に行われるよう働きかけるとともに、医療機関における自動ABR検査を推奨するなど、新生児が適切な時期に必要な検査や治療を受けられるよう検査体制の整備に向けて取り組んでまいります。

中野渡しほ
大変様々、御丁寧に御答弁いただきまして、ありがとうございます。
 最後の質問をさせていただきます。アンケートにお答えくださった方々の思いも一緒に受け止めながら、質問させていただきますが、協議会参加者の方から、アンケート結果を踏まえて、間を置かずに協議会を進めることによって、より早期の設置が可能であり、協力も惜しまないとの声がございます。多くの方の声に早期に応えることが、アンケートの本当の目的であると考えます。子どもの幸せを目的とする条例が制定された意義は大変大きく、子どもの人生の予後に関わる重要な難聴児支援センターの設置を早期に果たすことが、条例を実効性のあるものとする一歩なのではないでしょうか。今後、道としてどのように取り組むのか伺います。

野澤 保健福祉部子ども応援社会推進監
今後の取組についてでございますが、小児期の難聴は、言語の発達、獲得の遅れなど、その後の成長に大きく影響するため、早期に発見し、適切な療育等へつなげることが大変重要であり、中核的機能の整備を通じて、関係機関の連携強化をはじめ、家族支援や難聴児に関する研修、啓発の取組を着実に進め、支援の質の向上を図ることが必要と考えております。 道といたしましては、アンケート調査で難聴児の保護者や支援を行う職員の皆様からお聞きしたお声を受け止めつつ、今後とも、北海道難聴児支援推進協議会において、本道の広域性や医療、福祉、教育など地域資源の状況も踏まえながらセンターなどの拠点設置の必要性を含め、難聴児支援に係る中核的機能の在り方等について議論を重ね、難聴児とその御家族が、身近な地域において適切な相談支援及び療育を受けることができるよう、難聴児支援のための体制づくりを着実に進めてまいります。
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