(令和5年06月07日)
子ども政策調査特別委員会会議録

質問内容/答弁内容

医療的ケア児について

中野渡しほ
⑴医療的ケア時の現状と取組について

 子ども政策調査特別委員会の中で初めに取り上げさせていただきますのは、今、この瞬間も気の抜けない子育てをされている親御さんと、その状況にあるお子様を支えたいという思いから、医療的ケア児について質問させていただきます。
 医療的ケア児支援法については、一昨年9月に施行されてから1年8か月が経過しようとしております。
 道では、昨年6月30日に北海道医療的ケア児等支援センターを開設するなどの取組を進めているものと承知しています。
 医療的ケア児の保護者からは、家族に急病や緊急の用事などができたときに預け先がないなどの声も多く聞かれております。私自身、その対応が急がれているものと考えております。
 以下、伺ってまいります。
 まず初めに、道が行っている医療的ケア児に関する状況調査の近年の推移や道の取組状況を伺います。

和田 子ども家庭支援課長
 医療的ケア児の現状と取組についてでございますが、道では、医療的ケア児に関する状況調査を、札幌市を除く道内市町村を対象として実施しており、ここ3年の4月1日現在の在宅の医療的ケアを要する20歳未満の方は、令和2年度が371名、令和3年度が378名、令和4年度が408名となっております。
 また、御家族からの声として、家族が緊急時などに預け先がない、家族以外に預けられるところがないなどの切実な声が寄せられていることから、道では、短期入所等サービスを提供する事業所を充実するため、市町村に財政措置を働きかけるほか、御家族の抱える様々な課題を把握し、必要な対応につなげていくため、医療的ケア児等コーディネーターの養成、障がい保健福祉圏域における協議の場の設置などを進めてきたところでございます。

中野渡しほ
⑵医療的ケア児に関わる課題について

 道では、令和4年度からコーディネーター養成研修を再開したものと承知しております。
 その受講定員を超える募集があったと伺っておりますけれども、コーディネーターのさらなる養成や、既に養成したコーディネーターの質の向上が不可欠など課題があるほか、医療的ケア児支援に関して様々な課題があると考えますが、どのように認識をしているのか、伺います。

和田 子ども家庭支援課長 
 医療的ケア児に係る課題についてでございますが、道では、医療的ケアが必要な子ども等が居住する市町村には、支援の調整を担うコーディネーターの配置が必要と考えており、平成30年度から医療的ケア児等コーディネーター養成研修を実施し、新型コロナウイルス感染症拡大による休止後、令和4年度から再開したところでございます。
 現在、道内では、158名のコーディネーターが登録されており、医療的ケア児が居住する82市町村中、令和3年度は37市町村、令和5年度は56市町村で配置されております。
 引き続き、コーディネーターのさらなる養成を進めるとともに、既に養成したコーディネーターに対してもフォローアップ研修を行うことで、継続的に質の向上を図るほか、昨年6月に開設した北海道医療的ケア児等支援センターにおいて、医療や保健福祉など、関係機関との連絡調整を図るなどしているところでありまして、道といたしましては、御家族や関係団体と密に意見交換をするなどしながら、医療的ケア児や御家族が抱える困り事をしっかりと把握し、御本人や御家族に寄り添った支援を提供できるよう、取り組んでまいります。

中野渡しほ
 まさに、その困り事をよく把握していくというのは、大変重要なことと思っております。
 私は昨日、医療的ケア児が過ごしているデイサービスに伺ってまいりました。
 親御さんがデイサービスに対して一番要望しているのは何かというと、実は入浴だったということが分かりました。
 しかし、デイサービスの機能には、これは含まれておりません。
 でも、そのお母さん方の願いをかなえるためにクラウドファンディングなどを行って、資金を集めて、それをかなえていました。
 私は初めて見ましたが、CTスキャンのような形をした入浴機器がありまして、ベッドに乗ったまま、そのお子様のベッドを押して、その形状の中に入っていきます。
 そうしましたらミストが出てきまして、そこで洗うことができるようなものでありました。
 大変安全性が高く、そして、その気持ちよい状態というのがあったわけでございますけれども、こういったお子様、そして親御さんが本当に求めているニーズにしっかりと合っている支援制度の拡充というのが大変重要でありまして、それが今おっしゃっていただいた御答弁、まさにそのとおりであると思います。ぜひよろしくお願いいたします。

中野渡しほ
⑶移行期への支援について

そして、医療的ケア児への支援は、医療的ケア児が成人になった後も、切れ目なく継続した支援が必要であると考えます。道における対応の考え方を伺います。

和田 子ども家庭支援課長
 移行期への支援についてでございますが、医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律では、医療的ケア児は、18歳未満の者か高等学校等に在籍する者とされている一方、18歳以降であっても、適切な保健医療サービス及び福祉サービスを受け、日常生活及び社会生活を営むことができるよう配慮することが、基本理念として掲げられているところでございます。
 道といたしましては、この理念に基づき、医療的ケア児等支援センターにおいて、医療的ケア児であった方の移行期や成人期での課題に係る相談内容にも応じるとともに、御家族や関係団体の御意見を聞きながら、医療的ケア児のライフステージに応じた支援が提供できるよう、引き続き、市町村などに支援体制の充実を働きかけてまいります。

中野渡しほ
⑷今後の取組について
 医療的ケア児及びその家族がその居住する地域にかかわらず、ひとしく適切な支援を受けられるようにするという法の基本理念にのっとって、各地域においても体制整備を図っていくことが必要であると考えます。
 今後、道としてどのように対応しようとしているのか伺います。

森 子ども政策局子育て支援担当局長 
 今後の取組についてでございますが、道ではこれまで、医療的ケア児とその御家族のワンストップの相談窓口である、北海道医療的ケア児等支援センターの設置やコーディネーターの養成、質の向上などの取組を進めてきたところでございまして、まずはコーディネーター未配置の市町村に対して、研修受講を直接働きかけますとともに、支援センターの委託先である医療法人や関係機関との連携を密にし、蓄積した相談事例の共有や、困難事例の解決に向けた助言等により、市町村の対応レベルの向上を図ることとしております。
 また、医療的ケア児を支える御家族の声を十分に酌み取りますとともに、地域で必要なサービスが受けられますよう、事業所の安定的な運営や看護職員を確保する報酬単価の見直し等について、引き続き国に要望するなどし、お住まいの地域にかかわらず、医療的ケアが必要な子どもたちとその御家族を支える体制の充実を図ってまいります。

中野渡しほ
 今、看護師という体制のことをお話しいただきました。
 医療的ケア児の支援には、欠かせない重要な資格を持っている方々でございますが、昨日、看護師の方と意見交換をさせていただきました。
 その中で、訪問級というのが実は重要なのだという言葉がございました。
 訪問級という言葉を私も存じ上げていなくて、級というのはどのような漢字を書きますかとお伺いしましたら、学級の級だということでありました。
 デイサービスにはその機能はないのですが、学校の先生がそこを学級に見立てて、訪問の教育をされているということをお伺いいたしました。
 実際に、医療だけでは子どもは育たないと、そういう教育的なことが分かっている方との、この体制というのが重要なのだということも、現状を通しながら教えていただいたところであります。そのような関係機関の連携は、子どもの成長にとって不可欠であるということを実感しました。
 様々な事例の検討もしていただけるということでございますので、ぜひそういった関係機関の意見も含めて、子どもさんの成長に一番最も適した支援をぜひ進めてまりたいと、そして進めていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

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