(令和5年08月02日)
子ども政策調査特別委員会会議録

質問内容/答弁内容

困難な問題を抱える女性への支援等に係わる計画について

中野渡しほ
⑴策定の背景について
 私は、これまでも地域女性活躍推進交付金を活用した事業を推進したり、また、SACRACH(さくらこ)や拠点医療機関、またにんしんSOSほっかいどうへの連携体制の構築など、現場の関係者と連携をしながら、貧困や予期せぬ妊娠などにより、苦悩の中にいる女性たちと実際に関わってまいりました。今回、道において女性支援に関する計画の策定及び見直しを行うというのは、大変重要なことだと考えております。

 初めに、これらの計画を策定する背景、道として策定する目的について伺います。

和田 子ども家庭支援課長
  困難な問題を抱える女性への支援等に係る計画を策定する背景などについてでございますが、令和6年4月施行の困難な問題を抱える女性への支援に関する法律におきまして、都道府県は、国が定める基本方針に即して、基本計画を策定することが義務づけられたことから、道といたしましても、今年度中に計画を策定する必要があるところでございます。

 また、配偶者暴力防止計画は、いわゆるDV防止法におきまして、同様に、都道府県基本計画の策定が義務づけられているもので、道の第4次計画の計画期間が今年度で終了することから、新たな計画を策定する必要があるところでございます。
 道といたしましては、法令や国の定める基本方針の内容を踏まえた計画を策定することにより、困難な問題を抱える女性への支援などの施策を着実に実施していく考えでございます。

中野渡しほ
⑵既存の法律との違い
 困難女性支援法は、令和4年5月に公布され、令和6年4月に施行される新たな法律であるわけですが、この法律の特徴や売春防止法との大きな違いは何か、伺います。

和田 子ども家庭支援課長 
 困難女性支援法についてでございますが、昨今、女性が直面する問題は、生活困窮、性暴力や性犯罪被害、家庭関係破綻など複雑化、多様化、複合化しており、コロナ禍によりこうした課題が顕在化し、孤独孤立対策といった視点も含め、新たな女性支援強化が喫緊の課題となっております。
 こうした中、困難な問題を抱える女性支援の根拠法を、売春をなすおそれのある女子の保護更生を目的とする売春防止法から脱却させ、新たに施行される困難女性支援法では、女性の福祉、人権の尊重や擁護、男女平等といった視点を明確に規定していることが、大きな違いとなっております。

中野渡しほ
 女性の福祉、人権の尊重や擁護、男女平等を明確に規定との御答弁でございます。大変重要な視点でありますので、計画内容を今後しっかりと注視してまいりたいと思っております。

中野渡しほ
⑶審議会の構成について
 この計画の策定に当たっては、北海道子どもの未来づくり審議会で審議をして策定すると承知しておりますが、この審議会の委員構成について伺います。

和田 子ども家庭支援課長
 審議会委員の構成についてでございますが、北海道子どもの未来づくり審議会は、道の少子化対策推進条例に基づき、学識経験者、弁護士、医師、子育て支援関係者、独り親支援関係者など関係団体及び関係機関からの推薦者や一般公募者、合わせて15名の委員で構成しております。
 今回の計画策定の審議に当たりましては、審議会に新たな部会を設置することとしており、部会の委員は、学識経験者、弁護士、市町村職員及び女性支援関係者2名による計5名の委員構成とし、条例に基づき審議会会長が指名することについて、7月24日に開催された審議会で承認を得たところでございます。

中野渡しほ
⑷一体の計画とする理由について
 道が今年度策定予定の困難女性支援計画及び配偶者暴力防止計画については、7月24日に開催された北海道子どもの未来づくり審議会において、二つの計画を一体で策定する方向が示されたと承知しております。
 道として、二つの計画を一体で策定する理由について伺います。

和田 子ども家庭支援課長
 計画策定の方向性についてでございますが、いわゆる困難女性支援計画及び配偶者暴力防止計画は、いずれも関係法により国が定める基本方針に即し、都道府県は計画を策定することとされております。

 困難女性支援法に基づく国の基本方針におきまして、都道府県が策定する基本計画は、政策的に関連の深い配偶者暴力防止計画など他の計画と一体のものとして策定することができるとされておりまして、道といたしましても、両計画を一体的に策定することで、関係機関の役割や連携が明確になり、より効果的な施策の推進が可能となると考えますことから、今回策定する両計画を一体的に策定する方向で検討を進めるものでございます。

中野渡しほ
⑸未然防止について
 困難な女性への支援は大変に重要なわけでありますが、そのような女性をつくらない社会づくり、支援を受けるような状態にならないようにするための未然防止こそが最重要であると考えますが、道の所見を伺います。

和田 子ども家庭支援課長
 困難な問題への未然防止についてでございますが、女性が日常生活及び社会生活を営むに当たり、女性であることにより生活困窮、性暴力や性犯罪被害、家庭関係破綻など、様々な困難な問題に直面することがないよう、未然防止の取組を進めることは、何より重要と認識しております。
 このため、道としては、相談窓口を記載した啓発リーフレットを配布するとともに、母子家庭等就業・自立支援センターによる就業や生活に関する相談や、にんしんSOSほっかいどうサポートセンターによる予期しない妊娠などの相談対応のほか、市町村や民間の支援機関、道教委などの関係機関とも緊密に連携しながら、若年層などへの相談窓口の周知や人権尊重などの理解促進に向けた啓発を行っているところでございまして、今後も、人権擁護や男女平等等の実現に資するよう取組を継続し、女性が困難な状況に陥ることがないよう、道民の意識啓発を図り、社会全体で未然防止のための機運の醸成に努めてまいります。

中野渡しほ
【指摘】
 困難な女性への支援は大変に重要なわけでありますが、そのような女性をつくらない社会づくり、支援を受けるような状態にならないようにするための未然防止こそが最重要であると考えますが、道の所見を伺います。

中野渡しほ
⑹道の目指すところについて
 最後になりますが、今回の計画を策定するに当たって、これまでの女性支援などの取組を踏まえて、道として目指すところがあると思いますが、道の所見を伺います。

野澤 保健福祉部子ども応援社会推進監 
 道の計画策定についてでございますが、道ではこれまで、様々な問題を抱える女性の支援を行うため、特に著しい権利侵害であるDV被害などについて、女性相談援助センターによる各種相談対応や一時保護、民間支援団体への委託による保護、性暴力被害者支援センターによる相談対応や支援をはじめとする様々な取組を進めてきているところでございます。
 今回策定を目指す道の計画の内容につきましては、今後、審議会での意見や議会議論も踏まえまして、具体的に検討してまいりますが、困難な問題を抱える女性の福祉の増進及び自立に向けた施策を総合的かつ計画的に展開し、個々の支援対象となる女性に対して効果的に機能することを目指すとともに、広大な面積を有する本道の特性も考慮し、保健福祉、教育など関連する専門分野の機関や団体、市町村と協働するなど、女性が抱える困難を解消し、社会との絆を取り戻しながら、自立へつながるよう、オール北海道で取り組んでまいります。

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